研究志向な働き方の探求、大学発ベンチャーの楽しみ方
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研究志向な働き方の探求、大学発ベンチャーの楽しみ方

ACES

こんにちは、ACESの久野(@nokuuun)です。ACESのメンバーの”声”を伝えるPodcast『Voice of ACES』、今回はアルゴリズムエンジニアの2人をお呼びしています。研究に関わる者として、あるいは技術を社会実装していく立場として、『科学と社会をどうつなげていくか』『実務に関わる意義』についてざっくばらんにお話ししました。

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【参加者のプロフィール】
片岡:東京大学大学院総合文化研究科 修士課程1年。計算神経科学・理論神経科学の研究を行う。2019年からACESにインターンとして在籍し、アルゴリズム開発の業務に従事。

高木:個人事業主。受託の仕事を受けながら個人で研究を行う。ACESではアルゴリズムエンジニアとして業務を受けている。

久野「ではまず簡単な自己紹介をお願いします」

片岡「はじめまして、片岡です。僕はACESでアルゴリズムエンジニアとして働きつつ、東京大学大学院で理論神経科学や計算神経科学の分野の分野の研究を行っています。

経歴はちょっと特殊で、四国の高専を卒業したあと千葉大学の工学部に編入し、そこまでは工学系のことをしていたのですが、院からは自然科学に転向する形で東大に来て研究しています。ACESでは基盤となるアルゴリズムの開発をメインでやっています」

高木「慶應義塾大学の経済学部を出たあと、東大の院に入学し機械学習の研究をしていました。今はフリーランスとしてACESの業務もやっていて、具体的にはアルゴリズムを使ってお客さんの課題を解決する、DXプロジェクト関連の開発を行っています」

私達が研究する理由

久野「今回は科学と社会をつなげる、というかなりざっくりかつ壮大なテーマでゆるく話せればと思っています。前提としてはおふたりとも研究が好きで、今後も研究続けたい、というスタンスだと思うんですけど、2人が思う研究の魅力とか、今後どう関わっていきたいかについて教えて下さい」

片岡「僕が研究に魅了されたきっかけは、高専の卒業研究です。自分が取り組んでたことは簡単なことなんですけど、指導教官の先生から『世界初なんじゃない?』と言ってもらいました。その時、『先生に報告するまで、世界で自分だけが知ってることなのでは?』とすごくわくわくしたんです。もちろん思い込みのこともよくあるのですが(笑)。今は修士1年ですが、将来的には博士取ってアカデミアでパーマネントの職を得て研究したいと思っています」

高木「研究って未知を既知にする行為だと思っているのですが、誰もわからないことを既知にしていくってめちゃくちゃかっこいい、と思っています。世界中の人達、研究やってる人たちって発見された知見を共有する文化があって、実際に研究する際も過去の人達がやってきたことを調べて参照するわけですね。誰かが言ってたんですが、『時間と空間を超えて』全人類にとっての未知を発見していこうという営みがかっこいいと思っています。

研究との関わり方としては、今フリーランスとして働きつつ個人でも研究をしているのですが、個人的に今後もっと色んな研究のあり方があっていいと思っていて、自分の中で研究スタイルを模索しつつ続けていきたいと考えています」

久野「在野で研究されてるんですね、どういう割合で仕事と研究を行ってるんですか?」

高木「今は半々くらいで、働いて研究して、、という感じです」

久野「基本はおひとりで研究進めてるんですか?」

高木「そうですね。難しいこともありますけどなんとかやってます」

科学とコミュニケーション

久野「この3人で話すと、よく『科学と社会上手くつなげていきたいよね』という話になる気がしてて、特にサイエンスコミュニケーションに対する感度がすごい高いような気がするんですけど、2人は研究を志していく立場としてどういうモチベーション持ってますか?」

片岡「世の中には何かを判断するにあたって色んな手法とか根拠があると思うのですが、ある程度信用できるだろうという柱の1つとして科学があると思ってます。でも、そもそもどうして信頼性が高いとされる枠組みなの?というのは研究に関わるまで知る機会なかったので、科学を所与のものとして議論を進めるというより営みそのものを社会に共有していくことは大事だと思っています」

久野「アカデミックなトレーニングを積んだ人たちには当たり前の様式は有ると思うのですが、馴染みがない人にとっては科学的アプローチが果たして信頼に足るのか、と考えるのはごく自然なことかなと思います」

片岡「そうですね、昨今の感染症の話ではコミュニケーションの非対称性がとても気になりました。研究者っぽい人が『論文読んでから出直して来い』という言い方をしている場面を見かけたりしたのですが、誰もが医学や生物学をやっているわけではないので、自分が研究者になった時はそういう投げやりな態度はとりたくないなと」

久野「学問を特権的なものにしてしまうのはもったいないですね」

高木「伝える側も伝えられる側もだと思うんですが、自分の知らないことって知らないじゃないですか。科学やってる側も、それ以外のことで知らないことたくさんあるし。お互いの知らなさを自覚した上で話せばもっと建設的な議論ができると思います。

僕のモチベーションとしては、僕自身研究が好きなので、単純に営みとして面白いと思って欲しいという気持ちがあるのが1つ。あとは研究してる人達がしていない人達とコミュニケーションすることでお互い良いフィードバックが得られるとも思っています」

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足場としての大学発ベンチャー、研究を志す者が実務に取り組む理由とは?

久野「大学発の技術ベンチャーは、科学と社会をつなぐコミュニケーションの足場としての機能も果たせるんじゃないかなと思っています。お二人は研究に進んでいく立場として実務やっててよかったことや、ここは研究と実務違うなと思うところありますか?」

片岡「僕はもともと、研究と仕事って全然違うだろうなという思想を持っていました。でも結構近いこともあったなという印象です。大きく違うことがあるとしたら、興味の方向が違うのかなと思ってて、研究は基本自分ひとりでモチベーションベースで進められるのに対して、実務は外的な事情に左右される事が比較的多いと思っていて、要求されることとモチベーションとをすり合わせていくことが大事かなと思います。そしてそのスキルは将来要求されるスキルでもあるのかなと思ってて、というのはもし将来研究室運営するとなったら、学生さんの興味を汲み取りながら研究室の方針をすり合わせる場面が出てくると思うんですよね。そういう日の訓練になりうるのかなと思っています」

高木「僕は大学発ベンチャーが実際に上手くやってくことがすごく重要だと思ってて、科学とか研究って役に立つor立たない議論がよく出てくるんですが、アカデミアから生まれた知や技術が産業でも価値になることが示されれば、アカデミアの地位も向上するし産業にとってもいいことだなと。

実務の経験は個人的にはすごく活きてるなと思ってて、研究でももちろんそうですが産業の方ではアウトプットの出し方がすごくシステム化されているような印象があります。産業は関わってるプレイヤーも多いですし、どういう風に全体をマネジメントするかだったり、不確実性をどう減らしていくかとかメタな知見がたくさん溜まっていて研究の参考にもなるなと思います。

それこそ*『イシューからはじめよ』はアカデミックなところにも産業側にも知見がある安宅和人さんが書かれてますし、両方の視点も持つのも良いことなんじゃないかと思っています」

*ヤフー株式会社のCOO(最高執行責任者)室室長の安宅和人氏による問題解決の著書『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』のこと

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